青色申告承認申請書はいつまでに提出する?期限を過ぎた場合も解説!
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個人事業主としての活動が始まると、まず気になるのが「確定申告」のことではないでしょうか?
特に、節税効果の高い「青色申告」は、フリーランスならぜひ活用したい制度です。
「青色申告承認申請書」の提出期限、正しく把握できていますか?
実は、いつでも出せる「開業届」とは違い、青色申告の申請には厳格な「期限」があります。
この期限を1日でも過ぎてしまうと、その年は青色申告ができなくなってしまいます……!
今回は、そんな失敗を防ぐために、青色申告承認申請書の提出期限や、万が一過ぎてしまった場合のルールについてわかりやすく解説します。
新規開業の提出期限は「開業から2カ月以内」
結論から言うと、これから新しく事業を始める(または始めたばかりの)あなたの提出期限は、原則として「開業した日から2カ月以内」です。
国税庁のルール
国税庁のルールでは、以下のように定められています。
| 区分 | 青色申告承認申請書の提出期限 |
| (1)原則 | 承認を受けたい年の3月15日まで |
| (2)1月16日以降に新規開業した場合 | 開業日から2カ月以内 |
*提出期限が土日祝の場合は、翌平日が提出期限
ポイントは「開業日」
すでに事業を始めている人(原則)は3月15日が期限ですが、これから始める人や、今年1月16日以降に始めた人は(2)開業日から2カ月以内になります。
例えば、4月1日に開業した場合、6月1日が提出期限となります。
まとめると次のようになります。
| 開業日 | 提出期限 |
| 前年以前 | 3月15日 |
| 1月1日~1月15日 | 3月15日 |
| 1月16日~12月31日 | 開業日から2カ月以内 |
開業届と一緒に提出するのが一番スムーズで忘れにくいのでおすすめです。
※なお、事業を親から相続したケースでは提出期限について別の取り扱いがありますが、ここでは一般的な新規開業のケースに絞って解説します。
そもそも「青色申告制度」ってなに?
「期限、期限って言うけど、そもそもそんなに急いで出すメリットはあるの?」
そう思う方もいるかもしれません。
しかしフリーランスとして毎年、確定申告をしていくことになると「青色申告」のメリットは大きいです。
青色申告の主な特典
青色申告には、白色申告にはない節税メリットがあります。
青色申告特別控除(最高65万円)
利益から最大65万円を差し引いて税金を計算できるので、所得税や住民税が安くなります。
現実に65万円の経費を支払っていなくても、65万円×税率分の減税が受けられるのは大きなメリットです。最低税率でも65万円×所得税・住民税合計15%=97,500円の恩恵があります。
赤字の繰り越し(純損失の繰越控除)
もし赤字が出てしまっても、その赤字を翌年以降(最長3年間)に繰り越せます。
赤字を繰り越すことで翌年黒字が出たときに、前年の赤字と相殺して税金を減らせます。
開業当初は経費がかさんで赤字になることも珍しくありません。
そんな時、この「赤字の繰り越し」は強い味方になります。
青色申告を受けるための主な条件
こんなにお得な青色申告ですが、誰でも受けられるわけではありません。
「特典を与える代わりに、ちゃんとした帳簿をつけてね」というルールがあります。
税理士に記帳代行、確定申告代行をお願いして、この要件をクリアすることもOKです。
①「正規の簿記の原則」で記帳し、帳簿等を保管する
いわゆる「複式簿記」です。難しそうに聞こえますが、最近のクラウド会計ソフトであれば、家計簿感覚で入力するだけで自動作成してくれるものもあります。
根拠資料となる請求書や領収書等も保管する必要があります。
②確定申告書に決算書を添付する
確定申告の際に「貸借対照表」と「損益計算書」を作成して提出します。
③e-Taxによる申告(または電子帳簿保存)
以前は紙の申告書の提出でも65万円控除でしたが、現在は「e-Tax(電子申告)」または「電子帳簿保存」を行わないと、控除額が55万円に下がってしまいます。
なぜ「青色申告」というかご存じですか?
実は、日本にこの制度が導入された際、「青空のようスッキリとした、誠実な申告になるように」という願いを込めて、申告用紙に青色が採用されたと言われています。(諸説あります)
誠実な申告の証、それが「青色」です。
【重要】期限を過ぎてから提出してもいい?
ここが今回一番お伝えしたいポイントです。
「うっかり期限を過ぎちゃったけど、後から出せば認めてもらえる?」
残念ながら、答えは「NO」です。
提出期限を過ぎてからでは、その年の青色申告は認められません。
開業届との決定的な違い
よく混同されるのが「開業届」です。
開業届は「開業から1カ月以内」というルールがありますが、実態としては税務署への「報告」という性質が強いため、多少遅れて提出しても受け付けてもらえます(もちろん期限までに出すべきですが)。
税務署としても納税者のデータを登録したいので、開業届は「遅れてでも必ず出してほしい書類」なのです。
しかし、青色申告承認申請書は違います。
こちらは税金を安くするという「特典(承認)」を受けるための「申請」です。
税金の優遇措置を公平に運用するためには、厳しいルールが必要です。
「期限も条件もしっかり守れる人にだけ、減税の恩恵を与えますよ」という制度なので、遅れての提出には一切の温情がありません。
提出期限を過ぎたらどうなる?
もし、今年の分の提出期限を過ぎてしまった場合、残念ながらその年は「白色申告」しかできません。
たとえ1日遅れただけでも、最大65万円の控除を使う権利を失ってしまいます。これは非常にもったいないですね……。
今年の提出期限に遅れた場合、「来年度から」青色申告を受けられるように、改めて提出期限までに申請書を提出することになります。
1年分の恩恵を逃さないためにも、開業後すぐに青色申告承認申請書を提出しましょう!
まとめ
青色申告は、フリーランスにとって必須の節税策です。だからこそ、最初の「提出期限」だけは絶対に逃さないようにしましょう。
- 新規開業の場合、期限は「開業日から2カ月以内」
- 青色申告には最大65万円控除などの大きなメリットがある
- 期限を過ぎると、その年は青色申告ができない(厳格なルール!)
「まだ準備中だから……」と後回しにせず、開業届を書くタイミングで一緒に「青色申告承認申請書」も作成して提出してしまいましょう!
